御題:14




赤い空




戦いは、
いつになっても終わる様子を見せずに
永らく続いていた。

その戦いが始まった原因は何だったのか。
もう誰も知る由がないほど、それは長く続いていた。

一体、誰が始めたのであったか。
一体、いつから始まったというのか。
一体、いつまでこんなものが続くというのか。

この戦いで命を落とした兵は数知れず。
もう、敵も味方もわからない。
もう、何人殺したのかさえ覚えていない。

生き残った兵たちはみな、そう考えていた。
兵たちの感情は次第に薄れ、死体の数は増え続けた。

いつになっても終わることのないこの戦いは、
いつになっても戻ることのできない兵たちの気持ちで動いている。

もう、やめてしまいたい。死んでしまいたい。消えてしまいたい。


そんな兵士たちの悲痛な思いが今、空を真っ赤に染めている。