御題:07




モノクロの涙




目の前に広がるのは
ただの廃虚と化した地球
生存者は恐らく私ひとり


ほんの数日前まで
普通に、何の変哲もなく暮らしていたのに。
この数日間、見るものは全て
土と埃にまみれ、ガラクタと化した建物と
横たわって決して動くことのない、人間だった物体
植物さえも見当たらない。
生命を持つものは全て 消えた。


残されたのは転がった死体と、
それを覆う土と埃、そして建物だったもの。
そして唯一の生存者である 私


この現実を突きつけられて、やっと頭が正常に働くようになる。
この地球にはもう私しかいないのだと。
もう 楽しかった毎日は過ごせないのだと。
友と一緒に笑い、泣きあった日々は過去のものなのだと。



今、地球には私独りしかいないのだと。






色のない世界が周囲を包み、
音のない世界が広がっていく。

そんな中、私の頬を一筋の涙が
音もなく 流れた